世界農業遺産(GIAHS)に申請をしました。
【たたら製鉄が生んだ奥出雲の資源循環型農業】
本町の資源循環型農業システム「たたら製鉄が生んだ奥出雲の資源循環型農業」について、令和2年7月末に、世界農業遺産(GIAHS)への認定申請に係る承認申請書を国へ提出しました。国内審査である一次審査の結果は9月ごろ発表される予定です。
【奥出雲の農業システムの特徴】=地域の資源をうまく利用した持続可能な農業
(1)鉱山跡地を棚田に再生した歴史(たたら製鉄と農地開発)
鉄穴流しで砂鉄を採取した跡地は、水路やため池を再利用して次から次へと農地を拡大した。
(2)自然と共生する農・林・畜産業(米・牛・椎茸・ソバの複合的農業)
地理的・気候的条件を生かし、水稲、ソバ、和牛、シイタケなどの林産物を複合的に生産した。
(3)奥出雲の資源循環型農業の取組(水稲と和牛の耕畜連携)
米づくりと牛飼いによる耕畜連携によって、有機質堆肥を水田に施用した土づくりで地力を高めた
【今日的価値】
〇≪生産≫「食料と生計」 持続可能な農業、食料生産システム
〇≪生活≫「農村の暮らし」農業による多面的機能の維持と農村文化の継承
〇≪生命≫「生物多様性」 自然と共生する循環・生態系の維持
奥出雲町は、たたら製鉄の営みがあったからこそ、広大な農地が築かれ、農業を通じて現在も残されている農村景観・農村の暮らしは「生きた遺産」「代々受け継がれてきた知識」と言えます。自然資源を持続的に利用・生産していけるよう、先人から代々受け継がれてきた知恵と技は、地域の資源をうまく利用してきた優れた農業システム・賢い利用(ワイズユース)です。
奥出雲の農業がもつ価値を再評価し、農業システムを保全・継承していくことが重要となります。